債務整理には大きく3つの方法がある
「毎月の返済が追いつかない」「このままでは生活が回らない」——そんなときに法律にもとづいて借金を整理する方法を、まとめて「債務整理」と呼びます。債務整理には大きく分けて「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあり、名前は聞いたことがあっても、それぞれが何をどう変える手続きなのかまでは知られていないことが多いです。
この3つは、おもに次の4つの観点で性格が分かれます。(1)裁判所が関与するか、(2)借金がどの程度減るのか、(3)持ち家などの財産や仕事に必要な資格にどのような影響があるのか、(4)整理する相手(債権者)を自分で選べるのか、という点です。どの手続きが向いているかは、借入総額・毎月の収入・残したい財産といった一人ひとりの事情で変わります。まずはこの記事で、3つの違いを順番に押さえていきましょう。
任意整理とは|裁判所を通さず返済条件を交渉する
任意整理は、裁判所を通さずに、貸し手である債権者(消費者金融やクレジットカード会社など)と直接交渉して返済条件を見直す手続きです。3つの中ではもっとも手軽で、生活への影響が比較的小さい方法といえます。
交渉のおもな狙いは2つです。1つは、これから発生する利息(将来利息)をカットしてもらうこと。もう1つは、分割回数を延ばして毎月の返済額を無理のない水準に組み直すことです。たとえば残っている元金を3〜5年(36〜60回)程度に分け直すイメージです。ただし、元金そのものは原則として減りません。あくまで「利息の負担を軽くし、返済ペースをゆるめる」手続きだと理解しておくとよいでしょう。
任意整理のもう一つの特徴は、整理する債権者を自分で選べる点です。たとえば保証人に迷惑をかけたくない借入や、車のローン、住宅ローンなどを対象から外し、それ以外だけを整理するといった調整がしやすくなっています。
任意整理には資格制限がなく、後述する官報にも掲載されません(資格制限については「任意整理で資格制限はあるのか」、官報については「任意整理と官報掲載」の記事をあわせてご覧ください)。一方で、手続きをすると信用情報機関には事故情報として一定期間記録され、その間は新たな借入やクレジットカードの利用が難しくなります。こうした注意点は「任意整理のデメリット」の記事でくわしく整理しています。
個人再生とは|裁判所で借金を大きく圧縮する
個人再生は、裁判所に申し立てて行う手続きで、法律の定める基準にしたがって借金を大きく圧縮し、原則として3〜5年で分割返済していく方法です。任意整理が利息を中心に見直すのに対し、個人再生では元金部分も減額の対象になるため、借入総額が大きく任意整理では返しきれないケースで検討されます。
ただし、どこまで減るかには法律上の基準があり、借金の額や持っている財産によって変わります。誰でも同じ割合だけ減るわけではない、という点は押さえておきましょう。
個人再生で注目されるのが「住宅ローン特則」という仕組みです。これを利用できれば、住宅ローンはこれまでどおり支払い続けながら、自宅を手放さずに残せる場合があります。マイホームを守りたい方にとって大きな選択肢になります。一方で、手続きの内容は官報に掲載されます。また、原則としてすべての債権者を対象とする手続きであり、任意整理のように整理する相手を選ぶことはできません。
自己破産とは|返済を免除してもらう手続き
自己破産は、裁判所に申し立てて行う手続きで、原則として返済そのものを免除(免責)してもらう方法です。収入や財産の状況から見て返済を続けるのが難しいと判断される場合に、生活を立て直すための最終的な選択肢として位置づけられています。
借金の返済義務がなくなる代わりに、一定額を超える財産は処分の対象となり、手続きの内容は官報に掲載されます。たとえば持ち家や一定以上の価値がある車などが対象になり得ます。逆に、生活に必要な範囲の財産は手元に残せる仕組みもあります。
また、自己破産の手続き中は、一部の職業や資格(警備員や保険外交員など)について一時的に制限がかかることがあります。どのような財産が処分の対象になるか、どの資格に影響があるかは事案によって異なるため、利用を検討する際は個別に確認しておくことが大切です。資格への影響は「任意整理で資格制限はあるのか」の記事でも触れています。
3つの手続きはどう選べばいい?
ここまでをふり返ると、任意整理は「裁判所を通さず、利息を中心に負担を軽くしたい」「整理する相手を選びたい」場合に、個人再生は「借入が大きく、それでも自宅は残したい」場合に、自己破産は「返済を続けるのが難しく、いったん負担を整理して立て直したい」場合に、それぞれ向いていると整理できます。
とはいえ、適した手続きは借入総額・収入・残したい財産・仕事に必要な資格の有無などの個別事情によって変わり、一概にどれがよいとは言えません。自己判断で決め込む前に、まずは家計と借入の状況を書き出して全体像を整理し、専門家に相談しながら選んでいくことをおすすめします。
当事務所では、任意整理は代理人として対応し、個人再生・自己破産については書類作成のサポートという形で関わります。「どれを選べばよいかわからない」という段階でも問題ありません。無料相談で状況をうかがいながら、ご自身に合った方法を一緒に整理していきます。返済の見通しが立たず不安な方は「任意整理のデメリット」の記事もあわせてご覧ください。
ご相談にあたって
司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や見通しも、無料相談で個別にご確認いただけます。
個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。