「任意整理を考えているけれど、相談したあと何がどんな順番で進むのか分からない」——これから手続きを検討する方の多くが、まずこの不安にぶつかります。任意整理は、ある日いきなり借金が軽くなる手続きではなく、相談から完済まで複数のステップを一つずつ順番に積み重ねていく手続きです。
この記事では、最初の無料相談から、委任契約、受任通知の送付、取引履歴の取り寄せ、引き直し計算、和解交渉、和解契約、そして返済の開始から完済までを、6つのステップに分けて順番に解説します。あわせて、それぞれの段階でどのくらいの期間がかかるのかの目安もお伝えします。まず全体像をつかんでおけば、「今は手続きのどのあたりにいるのか」が分かり、見通しを立てやすくなります。なお、実際の進み方や期間は、債権者(借入先)の数や対応、ご相談者ごとの事情によって変わります。
任意整理は全体でどう進む?まず流れの地図をつかむ
細かい説明に入る前に、ゴールまでの「地図」を先にお見せします。任意整理は、おおまかに次の順で進みます。①無料相談で状況を整理する → ②委任契約を結ぶ → ③受任通知を送って取り立てを止める → ④取引履歴を取り寄せて引き直し計算をする → ⑤和解交渉をして和解契約を結ぶ → ⑥返済を始めて完済する、という流れです。前半の①〜③は比較的スピーディーに進み、督促が止まって生活が落ち着く段階です。一方、④〜⑥は債権者とのやり取りや返済が中心で、年単位の時間がかかります。あわせて、③で受任通知を送って債権者への返済が止まっている間に、和解後の返済に備えて毎月一定額を積み立てる「積立金」をお願いすることもあります(後述)。以下で、各ステップを順番に見ていきましょう。
ステップ1:無料相談で状況を整理する
最初のステップは、ご相談です。ここでは、借入の状況や家計の状態をお伺いし、そもそも任意整理がご相談者に向いているのかどうかを一緒に整理します。具体的には、借入先の数(何社から借りているか)、おおよその残高、毎月の返済額、収入と支出のバランスなどを確認します。
そのうえで、債務整理の代表的な選択肢である任意整理・個人再生・自己破産のうち、どの手続きが状況に合っているかを検討します。たとえば、安定した収入があり、利息のカットや分割の見直しで無理なく返していけそうな場合は任意整理が候補になります。返済そのものが難しいほど借入が大きい場合には、別の手続きを検討することもあります。「自分の場合はどれが合うのか分からない」という段階で大丈夫ですので、迷っている方こそご相談ください。当事務所では初回のご相談を無料で承っています。
ステップ2:委任契約を結ぶ
ご相談のうえで任意整理を進めることになった場合、次に委任契約を締結します。委任契約とは、「この手続きを正式にお任せします」という契約で、手続きの内容や費用について説明を受け、ご納得いただいたうえで結ぶものです。内容に疑問が残ったまま進むことのないよう、不明な点はこの段階でしっかり確認しておくことが大切です。
また、この段階で「どの債権者を任意整理の対象にするか」も確認します。任意整理は、自己破産などと違い、対象とする債権者を選べるのが特徴です。たとえば、住宅ローンや自動車ローンを対象から外し、消費者金融やクレジットカードの借入だけを整理する、といった選び方もできます。ただし注意したいのが保証人の存在です。保証人が付いている借入を任意整理の対象に含めると、その借入の請求が保証人に及ぶ可能性があります。誰かに迷惑をかけたくないという思いがある場合は特に重要なので、対象の選び方は家計の状況や保証人の有無もふまえて検討します。
ステップ3:受任通知を送ると取り立てはどうなる?
委任契約を結んだあと、司法書士から各債権者へ「受任通知(介入通知)」を送付します。これは、「この件は専門家が代理して対応します」と債権者に正式に伝える通知です。受任通知は依頼後すみやかに送るのが一般的です。
多くの方が一番気にされるのが、この受任通知の効果です。貸金業者は受任通知を受け取ると、貸金業法のルールにより、原則として本人への直接の取り立てや督促を停止します。つまり、これまで続いていた電話や郵便での督促が止まり、精神的に落ち着いて生活を立て直す時間が生まれます。手続きの中でも、この段階で気持ちがぐっと楽になったと感じる方が少なくありません。受任通知の仕組みや効果については、関連記事「任意整理の受任通知とは」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
受任通知後の「積立金」——和解後の返済に向けた準備
受任通知を送ると、債権者への返済はいったん止まります。任意整理では、この返済が止まっている期間を使って、和解後に毎月返していく予定額に近い金額を、毎月積み立てていただくことがあります。これを「積立金(つみたてきん)」と呼びます。実際に積立をお願いするかどうか、金額や回数をどうするかは、事務所の方針やご相談者ごとの事案によって異なりますので、詳しくは無料相談でご確認ください。
この積立には、大きく2つの役割があります。1つは「履行可能性の確認」です。和解後は、合意した返済を年単位の長い期間にわたって続けていくことになります。受任通知で督促が止まっている間に、和解後の返済額に近い金額を実際に積み立ててみることで、その金額を無理なく払い続けられるか(支払い能力)を、和解の前に確かめることができます。もう1つは「費用の分割原資」です。積み立てたお金は、手続きを進めるための事務所への費用(報酬)を分割でお支払いいただく原資に充てることができます。いずれの場合も、具体的な積立額・回数や費用の金額は事案によって異なります。費用は契約前に内容をご説明しますので、不明な点は無料相談で個別にご確認ください。
ステップ4:取引履歴の取り寄せと引き直し計算
受任通知の送付とあわせて、各債権者に「取引履歴」の開示を求めます。取引履歴とは、いつ・いくら借りて・いくら返したかという、これまでの取引の記録です。この記録がないと、正確な残高が分からないため、まずはこれを取り寄せることが出発点になります。取り寄せにかかる期間は債権者によってばらつきがありますが、おおむね1〜3か月程度が目安です。
取り寄せた履歴がそろったら、「引き直し計算」を行います。これは、法律(利息制限法)で定められた上限金利に基づいて、過去の利息を計算し直す作業です。かつて上限を超える金利で返済していた場合などは、この計算によって本来の残高が今より少なく確定することがあります。引き直し計算は、続く和解交渉の土台となる正確な残高を確定させる、重要なステップです。
ステップ5:和解交渉と和解契約
正確な残高が確定したら、その金額をもとに各債権者と返済方法について交渉します。任意整理で目指すのは、主に「これから先の利息(将来利息)をカットしてもらうこと」と「残った元金を無理のない回数に分けて返していくこと」です。ただし、将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情によって異なり、結果をお約束するものではありません。
交渉は、複数の債権者がいる場合でも1社ずつ進めていきます。和解の条件は債権者ごとに異なるため、まとまった会社から順番に和解契約を締結していくイメージです。すべての交渉がまとまるまでには数か月程度かかることが多いですが、この間も受任通知の効果で督促は止まったままなので、焦らず進められます。
ステップ6:返済の開始から完済まで
和解契約が成立すると、いよいよ合意した条件にしたがって返済を開始します。ここからが、手続きの中で一番長い期間になります。完済までの返済期間は和解の内容によりますが、一般には3〜5年程度(36〜60回程度の分割)が目安です。毎月決まった額を計画的に返していき、すべて返し終えると、任意整理の手続きは完了です。
なお、任意整理をすると、信用情報機関に一定期間その事実が記録されるなど、返済以外の影響もあります。これは新たな借入やクレジットカードの利用などに関わる点なので、手続きを決める前に知っておきたい注意点です。デメリットや影響を含めた全体像については、関連記事「任意整理のデメリット」もあわせてご確認ください。
ご相談にあたって
ここまで読んで、「自分の場合はどう進むのか」「自分にも任意整理ができるのか」を具体的に知りたくなった方は、ぜひ一度ご相談ください。司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について、代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や、完済までの見通しも、無料相談で個別にご確認いただけます。
個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きを一緒に考え、ご案内します。