「毎日のように届く督促の電話や郵便がつらい」「とにかく取り立てを落ち着かせたい」——借金の返済が苦しくなったとき、まず気持ちを追い詰めるのが債権者からの催促です。任意整理を専門職に依頼すると、こうした貸金業者からの直接の取り立て・督促が止まるのが一般的ですが、その鍵になるのが「受任通知(じゅにんつうち)」という書面です。この記事では、受任通知とは何か、なぜ取り立てが止まるのか、そして「止まる」ことの意味と注意点を、順を追って整理します。
受任通知(介入通知)とは?
受任通知(介入通知)とは、司法書士や弁護士が債務整理の依頼を受けたことを、依頼者に代わって債権者(貸金業者など)へ知らせる書面です。「これからはご本人ではなく、専門職が窓口として対応します」と債権者へ正式に伝える役割を持ちます。「介入通知」と呼ばれることもありますが、中身は同じものと考えて差し支えありません。
任意整理を依頼すると、まず代理人や書類作成を担当する専門職が、この受任通知を各債権者へ送付します。これにより、督促や返済に関するやり取りの窓口がご本人から専門職側へ切り替わります。難しい交渉ややり取りを直接ご自身で背負わなくてよくなる、という点が依頼者にとって大きな安心材料になります。
なぜ受任通知で取り立て・督促が止まるのか?
取り立てが止まる根拠は、気持ちの問題ではなく法律にあります。貸金業法には、貸金業者が司法書士・弁護士からの受任通知を受け取った後、正当な理由なく債務者本人へ直接取り立てや督促をしてはならない、という趣旨の定めがあります。つまり受任通知の送付は、法的な裏づけのある「直接連絡の停止」を求める手続きなのです。
このため、受任通知が貸金業者に到達すると、本人への電話・郵便・訪問といった直接の取り立てや督促が止まるのが一般的です。たとえば「日中に何度もかかってきていた携帯への着信」「自宅へ届いていた督促状」といった、生活に直接響いていた連絡が落ち着くイメージです。以後の連絡は、依頼者ではなく専門職を窓口として行われます。
受任通知はいつ送られる?
受任通知を送るタイミングは、依頼を受けた当日から数日以内が一般的です。督促に悩んでいる方にとっては、依頼後できるだけ早い段階で直接の連絡が落ち着く点が、任意整理を依頼する初期の大きなメリットとされています。
ただし、送付のタイミングや到達までの日数は、債権者の数や事案の状況によって異なります。借入先が多いほど準備にも時間がかかるため、「依頼したその瞬間からすべての連絡がなくなる」と決めつけず、専門職に進行の見通しを確認しておくと安心です。任意整理を依頼してから和解までの全体の流れは「任意整理の流れ」もあわせてご覧ください。
止まるのは「直接の取り立て」|借金がなくなるわけではない
ここはとても大切なポイントです。受任通知で止まるのは、あくまで貸金業者から本人への直接の取り立て・督促です。請求や支払い義務そのものが消えてなくなるわけではありません。
督促が落ち着いている状態は、債権者との和解が成立するまでの一時的なものと考えてください。この期間に、専門職が家計の状況を確認しながら返済計画を立て直し、任意整理の交渉を進めます。借入の元本などの債務自体は残るため、和解が成立した後は、合意した内容に沿って返済を続けていくことになります。「取り立てが止まる」=「返済しなくてよくなる」ではない、という点を押さえておくと、和解後の見通しを立てやすくなります。
受任通知の到達で起こりうること・注意点
受任通知には督促を落ち着かせる効果がある一方で、知っておきたい影響もあります。まず、対象とした借入に紐づくクレジットカードやカードローンが利用停止になることがあります。普段の支払いに使っているカードが使えなくなる可能性があるため、公共料金やサブスクの引き落としに使っている場合は、支払い方法の切り替えを早めに検討しておくと安心です。
また、整理の対象に含めた借入先が銀行(またはその保証会社)の場合、その銀行の口座が一時的に凍結されることがあります。給与の振込や各種引き落としに使っている口座が対象になりうるため、どの債権者を任意整理の対象にするかは、事前にしっかり検討することが大切です。専門職は、こうした生活への影響も踏まえて整理の対象を一緒に考えますので、心配な口座やカードがあれば相談時に伝えておきましょう。
なお、任意整理を行うと、その情報が信用情報機関に一定期間記録されます。これがいわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態で、その間は新たな借入やカードの作成が難しくなります。任意整理後の信用情報への登録については「任意整理とブラックリスト|信用情報に登録される期間の考え方」もあわせてご確認ください。
ご相談にあたって
司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について、代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、まずは無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や、受任通知の送付による影響の見通しについても、無料相談の中で個別にご説明します。
個人再生・自己破産については、書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では、債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況を丁寧にお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。取り立てや督促に一人で悩み続ける前に、まずは現状をお聞かせください。