「子どもの奨学金の連帯保証人になってほしいと言われたけれど、自分は任意整理をしている。引き受けて大丈夫だろうか」——任意整理を経験した方から、こうした相談はよく寄せられます。家族や友人から頼られたのに断りづらい、でも審査に落ちて迷惑をかけたら申し訳ない。そんな板挟みの不安は当然のものです。結論から言うと、保証人になれるかどうかは「どんな種類の保証か」で大きく変わります。一律に「任意整理をしたから保証人になれない」と決まっているわけではありません。この記事では、保証の種類ごとに影響の出方と現実的な対処法を整理します。
任意整理をすると保証人になれない?答えは「保証の種類による」
ひと口に「保証人」と言っても、大きく2つのタイプに分かれます。1つは、契約の相手方が保証人の信用情報を調べる(これを与信照会といいます)タイプ。もう1つは、信用情報を調べないタイプです。与信照会とは、相手方が信用情報機関に問い合わせて、その人の過去の返済状況や事故情報の有無を確認することを指します。
任意整理をすると、その情報は一定期間、信用情報機関に事故情報として記録されます。そのため、与信照会を伴う保証では審査に影響が出やすく、与信照会を伴わない保証では影響を受けにくい、という違いが生まれます。まずは「頼まれている保証が、相手方の信用情報チェックを伴うものかどうか」を切り分けて考えると、見通しが立てやすくなります。
与信照会を伴う連帯保証は、登録期間中は審査が通りにくい
次のような連帯保証は、保証会社や金融機関が保証人の信用情報を照会する場合があります。
・賃貸契約の連帯保証人(保証会社が間に入るケースを含む) ・自動車ローンや分割払いの連帯保証人 ・奨学金や各種ローンの連帯保証人 これらは、相手方が「この人に保証人としての支払い能力・信用があるか」を確認するため、信用情報をチェックすることがあります。
任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、その登録期間中は、保証人としての審査も通りにくくなる傾向があります。なぜなら、保証人は「主たる債務者が支払えなくなったとき代わりに支払う人」であり、相手方にとっては保証人自身の信用も重要だからです。最終的な可否は相手方や保証会社の判断によりますが、与信照会のある保証では信用情報の登録が影響しやすい、という点を踏まえておきましょう。
与信照会を伴わない保証(身元保証など)は影響を受けにくい
一方で、相手方が信用情報を照会しない保証もあります。代表例が、就職時に求められる身元保証です。身元保証は、本人が会社に損害を与えた場合などに備えるもので、保証人の返済能力を信用情報で確認することは通常ありません。
こうした与信照会を伴わない保証では、信用情報の登録が直接の可否を決めるわけではないことが多く、任意整理の影響は比較的小さいと考えられます。たとえば、お子さんの就職時の身元保証人を頼まれた場合などは、信用情報の登録を理由に断られる可能性は低いと言えるでしょう。ただし、最終的に保証人として認めるかどうかは相手方の判断によります。与信照会の有無だけで結論が決まるわけではない点には注意してください。
賃貸契約で保証人を頼まれたときの選択肢
賃貸契約では、連帯保証人を立てられない・審査が不安なときの代替手段が用意されていることがあります。たとえば、人に頼む代わりに家賃保証会社を利用する方法や、与信照会の影響を受けにくい別の方が保証人を引き受ける方法などです。物件や管理会社によって対応は異なるため、まずは不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
なお、ここで扱っているのは「他人の契約の保証人になれるか」という論点です。ご自身が賃貸物件を借りて入居する際の入居審査は、視点が異なります。自分が借主になるケースについては、別記事「任意整理後の賃貸入居審査」で整理していますので、あわせてご覧ください。
登録期間が過ぎれば、保証人としての審査も通常どおりに
信用情報に登録された事故情報は、いつまでも残るわけではありません。一定の登録期間が経過して情報が削除されれば、その後は保証人としての審査も通常どおり検討されるのが一般的です。「今は難しくても、時間の経過とともに状況は変わりうる」と理解しておくと、過度に悲観しなくて済みます。
「自分の登録が今どうなっているのか知りたい」という場合は、信用情報機関に開示請求をして、自分の情報を自分で確認する方法があります。開示の進め方は「任意整理後の信用情報の開示」で詳しく解説しています。登録期間の一般的な目安や考え方については「任意整理とブラックリスト」をご覧ください。また、「自分の信用情報が、家族の住宅ローンや審査に影響しないか」が気になる方は、家族との関係を整理した「任意整理と家族の信用情報」もあわせてご確認ください。
判断に迷ったら、まずはご相談ください
保証人になれるかどうかは、保証の種類・相手方の判断・現在の信用情報の状況など、複数の要素が絡みます。「自分のケースはどうなるのか」は、状況を伺ったうえでなければ正確にはお答えできません。判断に迷ったときは、無理に独断で引き受けたり断ったりする前に、専門家に整理してもらうのが安心です。
司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や見通しも、無料相談で個別にご確認いただけます。
なお、個人再生・自己破産については、書類作成のサポートを行うものであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。