任意整理をすると家族に影響する?

「自分が任意整理をしたら、妻や夫のクレジットカードが使えなくなるのでは」「子どもの教育ローンや奨学金の審査に響いて、進学に不利にならないか」「就職や結婚のときに不利な情報として伝わってしまわないか」——債務整理を考え始めた方の多くが、自分のことよりまず家族への影響を心配されます。生活を共にしている家族だからこそ、迷惑をかけたくないという気持ちは自然なものです。

結論からお伝えします。信用情報は一人ひとりに対して個人単位で管理される仕組みのため、任意整理による事故情報(いわゆるブラックリスト)が記録されるのは、手続きをした本人だけです。配偶者や子どもの信用情報に、本人の事故情報がそのまま書き込まれることはありません。ただし、契約の形によっては例外的に家族へ影響が及ぶ場面もあります。この記事では、まず「原則として家族には影響しない」ことを丁寧に説明し、そのうえで「気をつけるべき例外」を具体的に整理します。

そもそも信用情報とは?個人単位で管理される仕組み

信用情報とは、クレジットカードやローンの契約・返済の状況を記録したデータで、CIC・JICCといった信用情報機関が管理しています。カード会社やローン会社は、新しく申込みを受けたとき、この信用情報を照会して「きちんと返済できそうか」を判断します。任意整理をすると、本人の信用情報に一定期間、事故情報が記録されます。

ここで大切なのは、信用情報があくまで「契約した本人ごと」に記録されるという点です。家族だからといって信用情報がひとまとめにされたり、共有されたりすることはありません。たとえるなら、信用情報は一人ひとりの預金通帳のようなもので、夫の通帳に書かれた内容が、自動的に妻や子どもの通帳に転記されることはない、というイメージです。したがって、本人が任意整理をしても、家族それぞれの信用情報はその家族自身の利用状況だけで成り立っています。

配偶者や子どもの審査に直接は影響しない

信用情報が個人単位で管理されている以上、本人が任意整理をしても、配偶者や子どもがこれから申し込むクレジットカード・自動車ローン・住宅ローン・奨学金などの審査に、本人の事故情報が直接持ち込まれることは通常ありません。家族であっても、他人の信用情報を勝手に閲覧できる仕組みは用意されていないからです。

たとえば、夫が任意整理をした後でも、妻が自分名義で新たに住宅ローンを申し込む場合、審査の対象になるのは妻自身の年収・勤務状況・これまでの返済履歴です。夫の事故情報が妻の審査結果に直結するわけではありません。家族の審査は、あくまでその家族一人ひとりの信用状況に応じて判断されると考えてよいでしょう。

子どもの進学・就職・結婚に影響する?

「親が任意整理をしたことが、子どもの将来の足かせになるのでは」という心配もよく聞かれますが、進学・就職・結婚は、いずれも子ども自身の状況や評価によって決まるもので、親が任意整理をした事実そのものがこれらを左右するわけではありません。

就職活動の選考で、応募者本人の信用情報が照会されること自体が一般的ではなく、まして親の信用情報まで参照されるような仕組みは通常ありません。結婚についても、任意整理をした事実が相手や相手方の家族に自動的に通知される制度は存在しません。進学に関しても、子ども本人や保護者が新たに教育ローン・奨学金を申し込む際の審査は、その申込者自身の信用情報をもとに行われます。

戸籍や住民票に載って家族に知られる?

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して返済条件を見直す手続きです。裁判所が関わらないため、手続きをしたことが戸籍や住民票に記載されることはありません。個人再生や自己破産では関係する官報(国が発行する公告)への掲載も、任意整理では行われません。

そのため、家族が戸籍や住民票を取り寄せたとしても、その書類から任意整理をした事実が判明することはないと考えられます。「公的な記録から家族にばれてしまうのでは」という不安については、過度に心配する必要はないでしょう。なお、家族に内緒で進めたい場合の注意点については、関連記事の『任意整理は家族に内緒でできる?』もあわせてご覧ください。

例外的に家族へ影響が及ぶ場面とは

ここまで「原則として家族には影響しない」と説明してきましたが、契約の形によっては家族へ影響が及ぶ場面もあります。代表的なのが、家族が本人の借入の保証人・連帯保証人になっているケースです。

保証人が付いている借入を任意整理の対象に含めると、債権者は本人だけでなく、保証人である家族に対しても残った債務の支払いを求めることができます。つまり、本人の返済負担を軽くするつもりが、結果として保証人になっている家族へ請求が回ってしまう可能性があるのです。任意整理は、整理する債権者を一社ごとに選べるという特徴があります。そのため、保証人が付いている借入をどう扱うかは、保証人の有無や家計全体の状況をふまえて慎重に検討することが大切です。場合によっては、保証人付きの借入を対象から外すといった調整も検討します。

家族カードはどうなる?

家族カードを利用している場合も注意が必要です。家族カードは、本会員の信用にもとづいて家族会員に発行されるカードです。そのため、本会員である本人が任意整理でそのカードを対象にすると、本会員のカードだけでなく、家族が持っている家族会員のカードも一緒に使えなくなることがあります。

逆に、家族が本会員で本人が家族会員という関係であれば、本人が任意整理をしても、本会員である家族の契約に直接影響するとは限りません。このように、誰がカードの本会員なのかという名義関係によって扱いが変わります。家族カードを使っている場合は、どちらの名義なのかを確認したうえで、相談時にお伝えいただくと、影響の見通しを立てやすくなります。

家族への影響を最小限にするために

ここまで見てきたように、任意整理が家族へ影響するかどうかは、保証人の有無や家族カードの名義といった「契約の形」によって変わります。だからこそ、どの借入を整理の対象にするかをあらかじめ整理しておくことが、家族への影響を抑えるうえで大切になります。借入の一覧、保証人が付いている契約、家族カードの利用状況などを把握したうえで方針を決めると、思わぬ形で家族に請求が及ぶ事態を避けやすくなります。判断に迷う場合は、専門家に相談しながら進めると安心です。

ご相談にあたって

司法書士法人 福間事務所には認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について、代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、まずは無料相談で個別にご確認ください。保証人が付いている借入をどう扱うか、家族カードへの影響、減額後の返済額の概算や見通しなども、無料相談のなかで具体的にご確認いただけます。

なお、個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。

当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況、保証人の有無を丁寧にお伺いしたうえで、ご相談者とご家族にとって無理のない手続きをご案内します。家族にできるだけ影響を与えずに進めたいというご希望も、遠慮なくお聞かせください。