おまとめローンと任意整理は何が違う?
毎月の返済に追われ、複数の借入の管理が苦しくなってくると、「おまとめローンで一本化しようか」「いっそ任意整理をしたほうがいいのか」と迷う方は少なくありません。ネット上でもこの2つはよく並べて語られますが、実は仕組みも目的も大きく異なります。ここを取り違えると、自分に合わない方を選んでしまいかねません。
ごく簡単に言えば、おまとめローンは「新しく1本のローンを借りて、それで今ある借金を返す」借り換えです。これに対して任意整理は、「今ある借金の返済条件そのものを、債権者と話し合って見直す」債務整理の手続きです。新しく借りるか、今ある契約を見直すか——出発点がまったく違うわけです。まずはそれぞれを順番に見ていきましょう。
おまとめローンとは?仕組みとメリット・注意点
おまとめローンは、複数の借入を1つの新しいローンにまとめて借り換える方法です。たとえばA社・B社・C社の3社から借りている人が、新たにD社から借りた資金で3社を完済し、以後はD社1本に返していく、というイメージです。返済先が1つになるので、「どの会社にいつ・いくら返すか」を管理しやすくなり、返済日の見落としによる延滞も防ぎやすくなります。
借り換え後の金利が今より低くなれば、利息の負担が軽くなる場合もあります。複数の高金利の借入を、より低い1本の金利にまとめられれば、毎月の返済が楽になることも期待できます。
ただし注意したいのは、おまとめローンはあくまで「新規の借入」だという点です。借金そのもの(債務の総額)が法的に減るわけではなく、返済の枠組みが変わるにとどまります。むしろ、毎月の返済額を抑えようとして返済期間を長く設定すると、支払う利息の合計が増え、結果として総返済額がかえって膨らむこともあります。総返済額が増えるか減るかは、まとめた後の金利と返済期間の条件しだいで決まる、と理解しておくことが大切です。
任意整理とは?借り換えとの根本的な違い
任意整理は、新しく借り換えるのではなく、今ある各債権者と返済条件について和解交渉を行う手続きです。具体的には、これから先に発生する将来利息のカットや、残った元金を何回の分割で返していくか(返済期間)の見直しなどを交渉します。新たな借入を増やさずに、今ある負担そのものを軽くしていこうとする点が、おまとめローンとの根本的な違いです。
将来利息をカットできれば、その後の返済は元金が中心になり、結果として総返済額が減る可能性があります。返済期間は、一般的に3〜5年(36〜60回)程度の分割で和解を目指すことが多く、毎月の返済額を今より抑えられるケースもあります。
ただし、利息をカットできるかどうか、どの程度見直せるかは、債権者との交渉しだいであり、借入の経緯や残高といった個別の事情によっても変わります。利息の負担を軽くできるかどうかを確約できるものではありません。また、任意整理を行うと信用情報に事故情報が登録され、一定期間は新たな借入やクレジットカードの審査に影響します(この点は次の項目で詳しく説明します)。
信用情報・審査への影響はどう違う?
両者は「審査」と「信用情報」という面でも性質が異なります。おまとめローンは新規の借入なので、利用するには貸し手の審査を通る必要があります。すでに借入件数が多かったり、延滞があったりと、信用情報の状況によっては審査に通らず、そもそも利用できないこともあります。「返済が苦しいからまとめたい」という状況ほど、審査のハードルが上がりやすいという面があるのです。
一方、任意整理を行った後は信用情報に事故情報が登録されます。そのため、その期間中はおまとめローンを含む新たな借入やローン、クレジットカードの審査が通りにくくなります。いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態で、登録される期間の目安などは関連記事で詳しく解説しています。「審査を通して借りる」おまとめローンと、「審査への影響を一定期間受け入れる」任意整理は、信用情報との向き合い方そのものが異なる、と整理できます。
結局どちらを選べばいい?判断の目安
結論から言えば、どちらが向いているかは人それぞれで、一方が常に有利ということはありません。判断のポイントになるのは、現在の金利と残高、毎月どこまで無理なく返せるか(返済能力)、そして信用情報への影響をどう受け止めるか、といった要素です。
たとえば、今の金利よりはっきり低い条件で借り換えができ、その後も無理なく返し続けられる見通しが立つなら、おまとめローンで管理を整える選択もあります。反対に、利息の負担が重くて元金がなかなか減らない、毎月の返済自体が家計を圧迫している、という状況であれば、任意整理を含む債務整理が選択肢になってきます。審査に通らずおまとめローンが利用できなかった、というケースで債務整理を検討し始める方もいます。
どちらにもメリットと注意点があり、借入や家計の状況によって適した方法は変わります。自分だけで判断に迷う場合は、専門家に相談したうえで決めることをおすすめします。任意整理を含む債務整理のデメリット全般については関連記事(デメリットの解説)を、カードローンの借入をどう整理するかという考え方についてはカードローンの関連記事もあわせてご確認ください。
ご相談にあたって
「自分の場合はおまとめローンと任意整理のどちらが現実的なのか」は、借入の状況を一つひとつ確認しないと判断が難しいものです。司法書士法人 福間事務所には認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について、代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、その場合の進め方も含めて無料相談で個別にご確認ください。任意整理を行った場合の返済額の概算や見通しも、無料相談でお伝えします。
個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。