「専門家に頼むとお金がかかりそうだから、できれば自分で任意整理をしたい」――そう考えて情報を探している方は少なくありません。結論から言うと、任意整理は法律上、本人が自分で進めることもできる手続きです。ただし実際にやってみると、思った以上に手間がかかったり、債権者が話し合いに応じてくれなかったりして、途中で行き詰まるケースもあります。この記事では、本人交渉のしくみと進め方、つまずきやすいポイント、そして専門家に頼む場合との違いを、中立の立場で整理します。
任意整理は自分でできる?
結論として、任意整理は法律上、自分で行うことができます。任意整理は、裁判所を通さずに債権者(お金を貸している会社)と直接話し合い、返済の条件を見直してもらう私的な手続きだからです。
たとえば個人再生や自己破産は、裁判所に申し立てて進める手続きですが、任意整理にはそうした裁判所の関与がありません。あくまで「当事者どうしの話し合い」で成り立つため、本人が自分で債権者に連絡し、条件の見直しを申し入れること自体は制度上認められています。まずは「自分でやること自体はできる」という点を、正確に押さえておきましょう。
本人で交渉すると、どんなところでつまずく?
制度上はできても、実務では本人からの申し入れに対して債権者が交渉に応じにくかったり、話し合いがなかなか進まなかったりすることがあります。任意整理は相手に応じる義務を強制できる手続きではないため、最終的に合意できるかどうかは、相手方である債権者の対応にも左右されます。
交渉の前に必要な「準備」が意外と多い
交渉を始める前には、いくつかの準備が必要になることがあります。まず、これまでの取引履歴(いつ、いくら借りて、いくら返したかの記録)の開示を債権者に請求します。次に、その履歴をもとに、法律で定められた上限の利率で利息を計算し直す「引き直し計算」を行います。さらに、毎月の収入や家計の状況に見合った、無理のない返済案を組み立てます。
これらは専門的な知識や慣れが求められる作業で、初めて取り組む方にとっては負担が大きい部分です。準備が不十分なまま交渉に入ると、条件が不利になったり、やり取りが長引いたりすることがあります。
和解できなかったときのリスクも知っておく
交渉がまとまらず和解に至らない場合に何が起こるかは、別の記事「任意整理で和解できないとどうなる?」で整理しています。本人で進める場合も、こうしたリスクをあらかじめ知っておくと、進めるかどうかの判断がしやすくなります。
専門家に頼むと何が変わる?
司法書士や弁護士などの専門家に依頼すると、受任した旨の通知(受任通知)を債権者へ送ることで、督促が一時的に止まります。その間に、取引履歴の確認や引き直し計算、債権者との交渉といった負担の大きい作業を任せられます。本人が日々の生活や仕事を続けながら手続きを進められる点は、本人交渉との大きな違いです。
なお、認定司法書士が代理人として交渉できるのは、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の範囲です。この金額を超える事案では、司法書士は代理人として交渉する立場には立てません。どこまで任せられるかは、借入の状況によって変わります。
手続き全体の流れは「任意整理の流れ」、費用の考え方は「任意整理の費用の内訳」で、それぞれ詳しく説明しています。依頼した場合に何をどこまで任せられるのかは、これらもあわせてご覧ください。
自分でやるか、専門家に頼むか――どう決める?
本人交渉と専門家への依頼のどちらが向いているかは、借入をしている債権者の社数や金額、ご自身が手続きに割ける時間や手間などをふまえて考えることになります。たとえば、債権者が1社だけで、取引履歴の整理や交渉に落ち着いて取り組める状況なら、本人で進める余地もあります。
一方で、複数の債権者との交渉を同時に進める必要がある場合や、仕事や育児で時間を取りにくい場合は、準備や交渉の負担が重くなりがちです。どちらの進め方にもそれぞれの事情に応じた向き不向きがあり、一概にどちらがよいと決まるものではありません。迷う場合は、現在の借入や家計の状況をいったん整理したうえで、無料相談で個別に相談しながら進め方を検討することもできます。
ご相談にあたって
司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や見通しも、無料相談で個別にご確認いただけます。
個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。