相続登記を進めるにあたって、「できるだけ費用を抑えたい」と考えるのは自然なことです。ただ、費用の中には工夫の余地があるものと、手続き上どうしても必要になるものがあります。どこにお金がかかっているのかが分かると、抑えられる部分も見えてきます。この記事では、削ることが難しい費用と進め方によって変わる費用の違いを整理したうえで、自分で申請する方法や一部だけを依頼する方法、免税措置の活用など、負担を抑えるための考え方を、読者の状況に寄り添ってわかりやすくご説明します。
抑えられる費用とそうでない費用があります
相続登記の費用は「登録免許税」「実費」「司法書士報酬」の3つに分かれます。このうち登録免許税は法律で決まった税金、実費は書類の取得手数料で、いずれも手続きのうえでどうしても必要になる固定的な費用です。工夫の余地があるのは、主に手続きを依頼する場合の司法書士報酬の部分です。まずは、削ることが難しい費用と、進め方によって変わる費用を分けて考えると、見通しを立てやすくなります。
言い換えると、登録免許税と実費は、誰が手続きをしても大きくは変わらない部分です。費用を抑えたいと考えるときは、この固定的な部分を無理に削ろうとするのではなく、どこまでを自分で行い、どこから専門家に任せるかを検討するのが現実的です。まずは費用の全体像を把握したうえで、工夫できる部分を見極めていくとよいでしょう。
自分で申請する方法
相続関係が比較的シンプルで、平日に書類を集めたり法務局へ出向いたりする時間が取れる場合には、ご自身で相続登記を申請する方法があります。この場合、司法書士報酬はかからず、登録免許税と実費だけで手続きを進められます。ただし、書類の不備があると補正や再申請が必要になり、かえって時間と手間がかかることもあります。自分でできるかどうかの見極めについては、別の記事で詳しくまとめています。
自分で申請する場合は、必要な戸籍や証明書を自分で集め、登記申請書を作成して法務局へ提出する流れになります。平日に役所や法務局へ出向く時間が取れるか、書類の内容を確認しながら進められるかが、進めやすさの分かれ目になります。時間と手間はかかりますが、相続人が少なく権利関係がはっきりしている相続であれば、自分で進められることも少なくありません。
難しい部分だけを依頼する「部分依頼」
すべてを自分で行うのが不安な場合でも、手続きの一部だけを専門家に依頼するという選び方があります。たとえば、戸籍の収集や登記申請書の作成など、負担の大きい部分だけを依頼し、それ以外は自分で進めるといった方法です。どこまでを依頼するかによって費用の考え方も変わってきます。ご自身の状況でどの範囲を依頼するのが向いているかは、無料相談で個別にご相談いただけます。
たとえば、戸籍の収集までは自分で行い、登記申請書の作成や申請だけを依頼するといった分け方も考えられます。どこに手間や不安を感じるかは人によって違うため、負担の大きい部分を中心に依頼範囲を決めると、費用と手間のバランスを取りやすくなります。部分的な依頼が可能かどうかや、その場合の進め方についても、無料相談でご確認いただけます。
どこまで自分で行い、どこから依頼するかに、決まった正解があるわけではありません。ご自身が使える時間や、相続関係の複雑さ、書類を集める負担の大きさなどを踏まえて、無理のない範囲を選ぶことが大切です。すべてを自分で抱え込む必要も、すべてを任せてしまう必要もなく、その中間の選び方ができるという点を知っておくと、費用と手間の両方を調整しやすくなります。
免税措置が使える場合は活用する
相続した土地の評価額が100万円以下である場合など、一定の要件を満たすと登録免許税が免除される免税措置があります。対象になれば、その分の税負担を抑えられます。これらの措置には適用期限が定められているため、対象になりそうな土地がある場合は、期限内に手続きを進められるよう早めに確認しておくとよいでしょう。免税措置の詳しい要件は、別の記事でご説明しています。
免税措置の対象になるのは土地に関する登記に限られ、建物は含まれないとされています。また、免税を受けるには申請書に所定の記載が必要です。対象になりそうな土地があるのに見落としてしまうと、本来抑えられたはずの負担がそのままになってしまうこともあるため、要件を確認しておくことには意味があります。
費用を抑えるうえで注意したいこと
費用を抑えることばかりを優先すると、かえって遠回りになることもあります。たとえば、自分で申請して書類の不備が続くと、何度も役所や法務局に足を運ぶことになり、結果的に負担が大きくなる場合があります。また、相続関係が数世代にわたる場合や相続人が多い場合は、手続きが複雑になりやすく、専門家に依頼したほうが結果的にスムーズなこともあります。かかる手間と費用の両面を見比べて、ご自身に合った進め方を選ぶことが大切です。
また、費用を抑えることと、手続きを確実に終えることは、いつも同じ方向を向くとは限りません。名義変更が済まないまま時間が経つと、次の相続が重なって関係する人が増え、かえって手間が大きくなることもあります。目先の費用だけでなく、手続きを無理なく終えられるかという観点も含めて、進め方を選ぶことをおすすめします。判断に迷う場合は、無料相談で状況をお伺いしたうえでご案内します。
ご相談にあたって
当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。
遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。
必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。