「相続登記は自分でできると聞いたけれど、うちの場合はどうなのか」——インターネットで調べるほど、自分でできるという情報と、司法書士に頼んだ方がよいという情報の両方が出てきて、かえって迷ってしまう方は少なくありません。実際には、どちらが正しいという話ではなく、相続の内容によって難易度が大きく変わります。この記事では、比較的ご自身で進めやすいケースと、専門家に依頼した方が安心なケースを、分かれ目に沿って整理します。

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先にお伝えしておきたいのは、自分で申請することは決して珍しくない、ということです。相続の内容がシンプルであれば、時間をかけて調べながら自力で登記を終えている方は多くいらっしゃいます。同時に、状況によっては手続きが一気に複雑になり、専門家の力を借りた方がかえって負担が軽くなることもあります。大切なのは、ご自身の相続がどちらに近いかを、思い込みではなく具体的な条件で見きわめることです。以下の目安を、ご自身のケースと照らし合わせながら読み進めてみてください。

自分で進めやすいケースの目安

次のような条件がそろっている場合は、ご自身で申請を完了させやすいとされています。相続人の人数が少なく、全員が協力的で連絡も取りやすいこと。誰がどの不動産を取得するかについて話し合いがまとまっていること。対象となる不動産が1〜2件で、同じ法務局の管轄内にあること。亡くなった方の戸籍が比較的たどりやすいこと。たとえば、亡くなった親の自宅を、配偶者や子ども数人だけで、話し合いのうえ一人が引き継ぐ、といった典型的なケースはこれに当てはまりやすいといえます。

こうしたケースでは、法務局が公開している記載例や案内を参照しながら、時間をかけて一つずつ進めることで、自分で登記まで到達している方も多くいらっしゃいます。司法書士に頼まないぶん報酬を抑えられる点は、自分で申請する大きな利点です。平日に役所や法務局に出向ける時間があり、書類を丁寧に確認することが苦にならない方であれば、自力での申請は十分に現実的な選択肢です。自分でやってみたいという気持ちがある方が、その意欲を持って取り組むこと自体は、決して無理なことではありません。

司法書士に頼んだ方が安心なケース

一方で、次のような事情がある場合は、手続きが複雑になりやすく、専門家に依頼した方が結果的に負担が軽くなることがあります。何世代も名義変更されていない数次相続で、相続人が多数にのぼる場合。連絡がつかない、あるいは協議に協力してくれない相続人がいる場合。不動産が複数の市区町村・複数の法務局にまたがっている場合。遺言書の内容の解釈や、被相続人の住所がつながらないといった書類上の問題がある場合。平日に法務局や役所へ出向く時間が取れない場合などです。

これらは、書類の収集や持分の計算でつまずきやすい典型例とされています。特に数次相続では、相続人の範囲が広がって戸籍の収集量が増え、持分の計算も複雑になりがちです。こうしたケースで自力での申請にこだわると、かえって時間と手間がかかり、相続登記の期限に間に合わなくなることもあります。手続きが難しいケースかどうかは、相続人の人数や不動産の状況である程度見当がつきます。難しさを感じる場合に専門家の力を借りるのは、自然な判断です。

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費用と手間のバランスで考える

自分でやるか依頼するかは、費用だけでなく、かけられる時間と手間のバランスで考えると判断しやすくなります。自分で申請すれば司法書士報酬はかかりませんが、そのぶん戸籍集めや書類作成、法務局とのやり取りに自分の時間を使うことになります。平日に役所や法務局へ動ける時間があるかどうかも、実際には大きな要素です。逆に依頼すれば費用はかかりますが、手続きの多くを任せられ、誤りのやり直しを避けやすくなります。どちらが正しいということはなく、ご自身が何を優先したいかで選ぶものです。全部を自分でやるか全部を頼むかだけでなく、難所だけ部分的に依頼するという中間の選び方もあります。まずは自分で着手してみて、負担が大きいと感じた部分を相談する、という進め方でも構いません。

「自分でできるか」を見きわめる考え方

迷ったときは、いきなり全部を自分でやるか、全部を頼むか、の二択で考えなくても構いません。まず相続人の確定と書類集めまでを自分で進めてみて、途中で難しいと感じた段階で相談する、という進め方もあります。相続登記には、原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内という申請の期限があるため、判断を先送りしすぎず、早めに全体像をつかんでおくことが大切です。

見きわめの目安としては、相続人が誰かをすでに把握できているか、話し合いがまとまる見込みがあるか、対象の不動産が近くにあるか、平日に動ける時間があるか、といった点を確認するとよいでしょう。これらが整っていれば自分で進めやすく、いくつも当てはまらない場合は依頼を検討する材料になります。ご自身のケースがどちらに近いか分からないときは、無料相談で状況をお伝えいただければ、自分で進められそうか、依頼した方がよい部分はどこか、といった見通しをご案内できます。無理に依頼を勧めることはありません。

ご相談にあたって

当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。

遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。

必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。