祖父の代の土地の名義を調べてみたら、途中で相続人だった父もすでに亡くなっていた——こうして相続の手続きが終わらないうちに次の相続が起きると、関係する人が世代をまたいで増え、書類も一気に複雑になります。長く名義がそのままになっている不動産では珍しくないことで、どこから手をつければよいか戸惑う方も少なくありません。この記事では、相続が重なった「数次相続」の登記がどのように進むのか、よく問題になる中間の登記を省略できるかどうか、遺産分割協議書を作るときに気をつけたい点までを、順を追って整理します。数次相続は複雑に見えても、対応の考え方には一定の型があります。

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数次相続とは——相続の途中でさらに相続が起きた状態

数次相続とは、ある方が亡くなって相続が始まったあと、その遺産分割や登記が終わらないうちに、相続人のひとりがさらに亡くなり、次の相続が重なって発生した状態をいいます。たとえば祖父が亡くなったあと、遺産分割をしないうちに父も亡くなったようなケースが典型です。亡くなった相続人がもっていた相続人としての立場が、その方の相続人へと引き継がれていくため、手続きに関わる人が世代をまたいで少しずつ増えていきます。数世代にわたって名義がそのままになっている土地では、相続人が十数人にのぼることも珍しくありません。

似た言葉に「代襲相続」がありますが、両者は亡くなった順番が異なり、必要になる戸籍や相続人の範囲も変わってきます。混同しやすいところなので、ご自身のケースがどちらにあたるのかを最初に整理しておくと、その後の手続きがわかりやすくなります。

数次相続の登記は原則として順番に積み上げる

数次相続では、原則として発生した相続の順番に沿って登記を積み上げていく考え方がとられます。最初の相続による名義変更を行い、続けて次の相続による名義変更を行う、という流れです。相続が二重三重に重なっているほど、登記の件数や集める戸籍も増えていきます。登記を順番に行う場合は、その件数に応じて登録免許税などの実費もかかります。

誰から誰へ権利が移ってきたのかは、亡くなった方それぞれの出生から死亡までの戸籍でたどる必要があります。世代をまたぐ分だけ集める戸籍の通数が多くなり、通常の相続登記よりも書類集めの負担が大きくなりやすい手続きです。古い戸籍は書式が今と異なり、読み解きに慣れを要する場合もあります。

中間の登記を省略できる場合・できない場合

数次相続の登記では、間に入る相続の登記を省いて、最初の名義人から最終的に不動産を取得する方へ直接名義を移せる場合があるとされています。これは中間の相続が結果として一人だけが引き継ぐ「単独相続」になっているときに認められると説明される取り扱いで、中間の相続人が複数いる場合は、原則どおり各段階の登記が必要になると解説されるのが一般的です。

省略できるかどうかは、遺産分割の内容や相続放棄の有無によっても変わり、判断には専門的な確認を要します。中間の登記を省ければ登記の件数が減り、その分の負担が軽くなることもありますが、ご自身のケースで省略できるかどうかは、戸籍と遺産分割の状況をふまえて個別に確認する必要があります。

遺産分割協議書の書き方で気をつけたいこと

数次相続では、亡くなった相続人の立場を引き継いだ方が、代わりに遺産分割の話し合いに加わります。そのため遺産分割協議書には、誰が誰の相続人としてその協議に参加しているのかがわかるように記載する必要があり、通常の協議書よりも書き方が複雑になりがちです。

世代をまたぐ相続では、一枚の協議書にまとめるのか、相続ごとに分けて作成するのかといった判断も出てきます。記載を誤ると登記が受け付けられず、やり直しになることもあるため、様式や記載例を確認しながら慎重に作成することが大切です。書き方に迷うときは、早めに専門家に相談する方法もあります。

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数次相続は早めに確認しておくと安心です

相続が重なるほど関係する相続人が増え、連絡や話し合いが難しくなっていきます。長く放置された不動産では、面識のない親族と協議しなければならなくなることもあります。相続人が増える前に手をつけておくことで、手続きの負担を抑えやすくなります。

また、過去に起きた相続についても登記の申請義務の対象とされ、経過措置による期限が設けられています。古い名義のままになっている土地に心当たりがある場合は、期限のことも意識しながら、早めに現在の権利関係を確認しておくと安心です。

数次相続でつまずきやすいところ

数次相続では、まず「誰が相続人なのか」を確定させるのに手間がかかりがちです。世代をまたいで戸籍を集めるうちに、これまで存在を知らなかった相続人が見つかることもあります。相続人の範囲が固まらないと遺産分割も登記も進められないため、ここが最初の関門になりやすいところです。

また、相続人の一人と連絡が取れない、話し合いに応じてもらえないといった事情が重なると、手続きがさらに難しくなります。遺産分割そのものに争いがある場合の代理交渉は弁護士の業務領域になりますが、争いがなく、書類の作成や登記の進め方に迷っているという段階であれば、司法書士がお手伝いできる場面もあります。ご自身のケースでどこから手をつければよいか迷うときは、無料相談で状況を整理していただけます。

ご相談にあたって

当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。

遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。

必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。