相続した不動産を、兄弟など複数の相続人で共有名義にして相続登記したいという方に向けて、持分の書き方と、共有にする前に知っておきたい注意点を整理します。共有名義は、とりあえず全員で持ち合う形として選ばれやすい一方、後々の売却や次の世代の相続で手続きが複雑になりやすい面もあります。ここでは、持分の記載方法とあわせて、共有のメリット・注意点をわかりやすくご説明します。

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共有名義の相続登記とはどういうものか

共有名義の相続登記とは、一つの不動産を複数の相続人がそれぞれ持分という割合で持つ形で名義を登記することです。たとえば兄弟二人で二分の一ずつ持つ、といった形になります。遺産分割協議で特定の一人が取得すると決めれば単独名義になりますが、話し合いの結果として、あるいは法定相続分どおりに、共有名義にすることもあります。

共有名義が選ばれる背景には、「とりあえず全員で平等に持っておきたい」「今すぐ誰か一人に決めるのは難しい」といった事情があることが少なくありません。共有そのものが悪いわけではありませんが、後々の手続きにどう影響するかを知ったうえで選ぶことが大切です。ここでは、まず持分の書き方を整理し、そのうえで注意しておきたい点をご説明します。

持分の書き方(分数で記載する)

共有名義で登記する場合、それぞれの相続人がどれだけの割合を持つのかを、持分として分数で記載します。登記申請書や遺産分割協議書には「持分二分の一」などと明記し、全員の持分を合計するとその不動産の全部になるように書きます。割合は、法定相続分どおりにすることも、遺産分割協議で定めた割合にすることもできます。

遺産分割協議をせずに法定相続分どおりで共有登記をすることもできますが、その場合は各自の持分が法律で定まった割合になります。あとから割合を変えたいとなると、持分の移転という別の手続きが必要になり、贈与税などの税負担が生じることもあります。どの割合で登記するかは、目先の手続きの簡単さだけでなく、その後の使い方まで見据えて決めておくと安心です。

遺産分割協議で共有と決めた場合は、協議書に不動産の表示と各人の持分を正確に書く必要があります。協議書での不動産の書き方や記載例は、次の記事で詳しくご説明していますので、あわせてご確認ください。

共有名義にかかる登録免許税の考え方

相続による名義変更では、登録免許税として固定資産税評価額に一定の税率をかけた額がかかるのが基本です。共有で登記する場合の税額の考え方や、持分に応じた計算のしかたは、税率や課税標準の扱いを一次情報で確認する必要があります。具体的な金額はケースによって異なりますので、目安を知りたいときは無料相談でご確認ください。

なお、一定の要件を満たす土地については、登録免許税の免税措置が設けられている期間があります。対象や期限が定められている制度のため、当てはまるかどうかは一次情報で確認する必要がありますが、条件に合えば負担が軽くなる場合もあります。共有・単独のいずれで登記するにしても、税額の見込みは早めに把握しておくと、手続きの計画が立てやすくなります。

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兄弟共有のデメリットとして知っておきたいこと

共有名義は手続き上シンプルに見えますが、後々の対応で負担になりやすい点もあります。まず、共有している不動産を売却したり、担保に入れたりするには、共有者全員の関与が必要になるのが一般的です。誰か一人が反対したり、連絡が取りにくくなったりすると、活用や処分が進めにくくなります。

さらに、共有者の一人が亡くなると、その持分がその人の相続人へと引き継がれ、共有者の数が世代を追うごとに増えていくことがあります。こうして持分が細分化すると、話し合いに参加してもらう人が増え、手続きがより複雑になっていきます。当初は兄弟二人だけの共有だったものが、数十年後には面識のない親族どうしの共有になっている、というケースも珍しくありません。

また、固定資産税の支払いや、建物の修繕・管理をめぐって、共有者の間で負担のしかたが問題になることもあります。誰が管理を担い、費用をどう分けるのかがはっきりしないまま時間が経つと、いざ売却や活用を考えたときに話がまとまりにくくなります。長く放置した場合のリスクは、放置全般の注意点をまとめた記事もあわせてご覧ください。

共有を避ける・あとから解消する方法

こうした点をふまえて、はじめから特定の一人が不動産を取得し、他の相続人には預貯金など別の財産を渡したり、取得する人が代償金を支払ったりして調整する、という分け方を選ぶこともあります。相続する不動産が実家一つといった場合でも、こうした工夫で単独名義にまとめられることがあります。すでに共有になっている場合でも、持分の贈与や売買、持分の放棄などによって、あとから共有を解消して一人の名義にまとめる方法があります。

ただし、共有の解消にあたっては、贈与税など税金の扱いが関わることがあり、個別の税務判断は税理士の業務領域です。当事務所は登記の手続きの面からご案内し、必要に応じて適切な専門家をご紹介します。共有の一本化の選択肢は次の記事で整理していますので、あわせてご確認ください。

ご相談にあたって

当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。

遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。

必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。