相続登記を自分で進めるとき、多くの方が手を止めやすいのが登記申請書の作成です。決まった様式に沿って書く必要があり、記載を誤ると補正を求められることもあるため、慎重になるのは自然なことです。この記事では、法務局の様式に沿った申請書の基本的な書き方、記載欄ごとに気をつける点、添付書類のまとめ方や綴じ方・契印までを整理します。細かな決まりや最新の記載例は法務局が公開している資料で確認しながら、一つずつ進めていきましょう。申請書そのものは1枚から数枚に収まることが多く、身構えるほど分量の多い書類ではありません。

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申請書は法務局の様式・記載例を使う

登記申請書は、法務局が申請の原因や相続のパターンごとに様式と記載例を公開しています。遺産分割による場合、法定相続分による場合、遺言による場合などで書き方が異なるため、ご自身のケースに合った記載例を選んで参照するのが基本です。決まった書式が法律で定められている部分もあるため、自己流で作るよりも、公開されている記載例に沿って作成する方が誤りを防げます。まずはご自身の相続がどのパターンに当たるかを確認し、対応する記載例を用意するところから始めます。

申請書は、パソコンで作成しても手書きでも構わないとされていますが、いずれの場合も記載例のとおりの項目立てで、必要な事項を漏れなく書くことが求められます。用紙の大きさや余白の取り方、複数の不動産をまとめて記載するときの並べ方などにも一定の書き方があります。はじめて作成する方は、記載例をそのまま下敷きにして、自分のケースの情報に置き換えていく方法が分かりやすいでしょう。分からない項目を空欄のまま提出すると補正の対象になるため、埋め方が不明な欄は事前に確認しておきます。

記載欄ごとのポイント

申請書には、登記の目的(所有権移転など)、登記の原因とその日付(被相続人が亡くなった日など)、相続人の氏名・住所と取得する持分、課税価格と登録免許税の額、そして対象となる不動産の表示を記載します。特に不動産の表示は、所在・地番・地目・地積や、建物であれば家屋番号・種類・構造・床面積を、登記事項証明書に記載されているとおりに正確に書き写すことが重要です。住居表示(いわゆる住所)と登記上の地番は異なることが多いため、郵便物の宛先の住所ではなく、登記事項証明書の記載を基準にします。

持分を分数で記載する場合は、相続人ごとの持分の合計が全体と一致しているかをよく確かめます。氏名や住所は、添付する戸籍・住民票の記載と一致させます。登記の原因の日付は、通常は被相続人が亡くなった日ですが、遺産分割によって取得した場合でも、相続を原因とする登記では亡くなった日を原因日付とするのが一般的です。課税価格は固定資産評価証明書の評価額をもとに計算し、そこから登録免許税の額を算出します。こうした欄は、一つでも記載例と違う書き方をすると補正の対象になりやすいため、記載例と見比べながら丁寧に埋めていきます。

添付書類のまとめ方・綴じ方・契印

申請書ができたら、戸籍や遺産分割協議書、住民票、固定資産評価証明書などの添付書類とあわせて提出します。相続関係を証する戸籍などの書類は、原本の返却を希望する場合、コピーに「原本と相違ない」旨を記して添える原本還付の方法を使うのが一般的です。法定相続情報一覧図を取得しておくと、戸籍一式の代わりに使えて添付が簡単になる場合があります。書類が複数枚にわたる場合は、決められた順序でまとめ、ページのつづり目に契印(割印)を押すなどの整え方があります。

綴じ方や契印の要否は申請の内容や書類の種類によって異なるため、記載例や法務局の案内で確認しながら整えます。申請書と添付書類の綴じ方、登録免許税の納付方法(収入印紙を貼る台紙の付け方など)にも決まりがあります。提出前に、記載内容と添付書類がそろっているか、印鑑証明書や評価証明書の有効なものを添えているかを、もう一度チェックリストのように見直すと安心です。書類の一部が古くて使えない、通数が足りない、といった不足は、申請後の補正の典型的な原因になります。

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つまずきやすい記載ミスの例

自分で申請書を作成する際につまずきやすいのは、不動産の表示を登記事項証明書どおりに書けていない、持分の分数の合計が合っていない、原因日付や登記の目的を取り違える、といった点です。土地と建物で申請書の書き方が少し異なることや、共有名義の場合の各人の持分の書き方も、間違いやすい箇所とされています。これらは、申請の内容に合った記載例を選び、一つずつ照らし合わせて確認することで多くは防げます。分からない部分をそのままにせず、法務局の相談窓口で確認する方法もあります。

自信がないときの進め方

申請書の作成は、記載例に沿えばご自身でも進められますが、相続の内容が複雑な場合や、持分の計算・不動産の表示に不安が残る場合は、無理に一人で仕上げなくても構いません。作成した申請書を提出する前に専門家に確認してもらう、あるいは難しい部分だけ依頼する、という進め方もあります。ご自身のケースで申請書をどう書けばよいか迷うときは、無料相談で状況をお聞かせいただければ見通しをご案内できます。

ご相談にあたって

当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。

遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。

必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。