家賃が払えずに滞納してしまい、「この滞納分も任意整理でまとめて整理できないだろうか」と考える方は少なくありません。ほかのカードローンや消費者金融の返済が重なって、家賃まで手が回らなくなっているケースもあります。結論からお伝えすると、滞納した家賃も任意整理の対象に含めること自体はできます。ただし、家賃はほかの借入とは性格が違い、含めることで思わぬ影響が出ることがあります。この記事では、その注意点と、いまの部屋に住み続けたい場合の一般的な進め方を整理します。
滞納した家賃も任意整理の対象にできるの?
任意整理は、債権者(お金を貸している相手や請求できる相手)と話し合い、将来の利息のカットや返済方法の見直しを求めていく手続きです。滞納している家賃も「支払う義務のある債務」の一種なので、理屈のうえでは任意整理の対象に含めることができます。
しかし、家賃は消費者金融やクレジットカードの借入とは大きく違う点があります。それは、家賃が「住まい」という生活の土台と直結していることと、親や知人が連帯保証人になっていたり、家賃保証会社が間に入っていたりすることが多いという点です。だからこそ、家賃を対象に含めるかどうかは、こうした事情をふまえて慎重に考える必要があります。
滞納家賃を含めると連帯保証人に請求が及ぶことがある
賃貸借契約では、親や親族が連帯保証人になっていたり、家賃保証会社が保証していたりすることが少なくありません。連帯保証人は、借りた本人が支払えないときに代わりに支払う義務を負う立場です。
滞納家賃を任意整理の対象に含めると、減額や分割を求めた残りの部分について、連帯保証人や家賃保証会社へ請求が及ぶことがあります。たとえば親に連帯保証人になってもらっている場合、本人の負担を軽くしたつもりが、結果として親に請求がいってしまう、という事態も起こり得ます。家計を別にして暮らしている家族に迷惑をかけたくない、という方は特に注意が必要です。
保証人が付いている債務をどう扱うかは、家賃に限らず任意整理全体に共通する論点です。連帯保証人への影響については、保証人への影響を整理した記事もあわせてご確認ください。
いまの部屋に住み続けられる?賃貸契約への影響
もうひとつ気をつけたいのが、いま住んでいる部屋に住み続けられるかどうかへの影響です。滞納家賃を任意整理の対象に含めて減額や分割を求めると、大家や管理会社との信頼関係に影響し、その物件に住み続けること(賃貸契約の継続)が難しくなるおそれがあります。
「借金の負担は減らしたいけれど、いまの家からは離れたくない」という方にとっては、見落としやすく、しかし重要なポイントです。家賃の整理を進めた結果、住まいを失うことになっては本末転倒になりかねません。だからこそ、住み続けたいかどうかを最初にはっきりさせておくことが大切です。
住み続けたい場合の一般的な進め方
いまの部屋に住み続けたい場合は、滞納家賃は任意整理の対象から外し、大家や管理会社とは支払い方法を直接話し合うのが一般的な考え方です。そのうえで、金利の高いカードローンや消費者金融などほかの借入を任意整理し、毎月の負担を軽くしていきます。
任意整理は、どの債権者を対象にするかを自分で選べるのが特徴です。住宅ローンや家賃のように住まいに関わる支払いはそのまま続けつつ、利息の負担が重い借入だけを見直す、という進め方も検討できます。家賃の支払いに回す余裕を作るために、まずほかの借入の負担を軽くする、という順番で考えると整理しやすくなります。
どの債権者を対象にするか迷ったときの考え方
どの債権者を任意整理の対象に含めるかは、家賃の滞納状況や連帯保証人の有無、家計全体の状況によって変わります。一例として、滞納が浅く連帯保証人に迷惑をかけたくないなら家賃は対象から外す、利息の高い借入が複数あるならそちらを優先して整理する、といった整理の仕方が考えられます。
対象とする債権者の選び方そのものについては、別の記事でくわしく整理しています。なお、いま滞納している家賃の整理と、引っ越し先など新しい賃貸物件の入居審査とは別の論点です。引っ越しを考えている方は、こちらの審査にふれた記事もあわせてご覧ください。
滞納が続いているときに知っておきたいこと
家賃の滞納が長く続くと、賃貸借契約の解除や、部屋の明渡し(退去)を求められることがあります。これは家賃という債務の性質上、起こり得ることとして知っておくとよい事実です。
不安をあおる趣旨ではありませんが、滞納が積み重なるほど取れる選択肢は狭まっていきます。逆にいえば、滞納が浅いうちに動くほど、住み続ける道を含めて選べる余地が残りやすくなります。家賃の滞納が続いている場合は、早めに大家や管理会社、そして専門家に相談しておくことをおすすめします。
実際の方針は一人ひとりの事情で変わります
滞納家賃を任意整理の対象に含めるべきか、それとも対象から外してほかの借入を整理するのがよいかは、滞納の状況・連帯保証人の有無・いまの住まいに住み続けたいかどうかといった個別の事情によって変わります。一律に「こうすればよい」と決められるものではありません。ご自身の状況に合った進め方は、無料相談で個別にご確認ください。
ご相談にあたって
司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や見通しも、無料相談で個別にご確認いただけます。
個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。