親が亡くなったあと、葬儀や役所の届出に追われる中で、「不動産の手続きは何から始めればいいのだろう」と戸惑う方は少なくありません。相続の手続きは種類が多く、期限のあるものも含まれるため、全体像が見えないままだと不安が大きくなりがちです。とはいえ、すべてを一度に片づける必要はなく、順番に一つずつ確認していけば、落ち着いて進められます。この記事では、不動産の名義変更(相続登記)を中心に、親が亡くなったあとの初動として何を、どの順で進めればよいのかを整理します。まずは大きな流れをつかみ、今できるところから手をつけていきましょう。この記事では、遺言の確認から相続人の把握、不動産の調査、遺産分割、そして名義変更までを、初動の順序に沿って説明します。あわせて、相続税の申告や相続放棄など、期限のあるほかの手続きについても、気にかけておきたい点として触れます。すべてをご自身で抱え込む必要はなく、難しいところだけ専門家に相談するという進め方もあります。気持ちの整理がつかないうちは、無理に急がず、できる準備から始めるだけでも前に進みます。

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まずは遺言書があるかを確認する

相続手続きの出発点は、遺言書があるかどうかの確認です。遺言書があれば、その内容にしたがって手続きを進めるのが基本となり、なければ相続人どうしの話し合い(遺産分割協議)で分け方を決めることになります。探す場所としては、自宅の金庫や引き出し、仏壇まわり、銀行の貸金庫などが挙げられます。あわせて、公正証書遺言なら公証役場に記録が残っていないか、自筆の遺言を法務局に預ける制度を使っている場合はその保管の有無を確認します。遺言が見つかった場合は、その種類によって、家庭裁判所での検認という手続きが必要になることもあります。遺言の有無や種類によって、その後に必要な書類や進め方が変わってきます。

相続人を確定させる(戸籍を集める)

次に、誰が相続人になるのかをはっきりさせます。そのためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を連続してたどり、配偶者や子どもなど法律上の相続人をもれなく確認する必要があります。転籍や結婚などで戸籍が複数の市区町村にまたがっていることも多く、集めるのが大変に感じられる作業です。もっとも、2024年から始まった戸籍の広域交付制度によって、最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できるようになるなど、以前より集めやすくなった面もあります。相続人が確定しないと、その後の話し合いや登記に進めないため、早めに取りかかっておくと安心です。

どんな不動産があるかを調べる

相続の対象となる不動産を把握することも大切です。自宅だけでなく、遠方の土地や、家族も知らなかった田畑・山林、マンションの敷地の共有持分などが含まれることもあります。毎年届く固定資産税の納税通知書や、市区町村で取得できる名寄帳を手がかりに、名義がその方になっている不動産を洗い出します。全国のどこに不動産があるか見当がつかない場合には、特定の人の名義の不動産をまとめて確認できる新しい制度の利用も選択肢になります。把握もれがあると、あとから別の相続手続きが必要になったり、期限の管理が難しくなったりするため、この段階でできるだけ全体像をつかんでおくとよいでしょう。

遺産分割を話し合い、名義変更(相続登記)へ

遺言書がない場合は、相続人全員で、誰がどの財産を引き継ぐかを話し合って決めます。まとまった内容は遺産分割協議書という書面にまとめ、相続人全員が署名・押印します。これと戸籍などの書類をそろえて、不動産の名義変更である相続登記を申請します。相続登記は、2024年から申請が義務とされ、原則として取得を知った日から3年以内という期限があります。申請は、不動産の所在地を管轄する法務局に対して行い、窓口・郵送・オンラインといった方法があります。書類の準備や申請には手間がかかる場面もあるため、進め方に迷ったら早めに確認しておくと、期限の面でも安心です。

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並行して気にかけたいこと

不動産の手続きと並行して、相続税の申告が必要かどうか、相続放棄を検討する必要があるかなど、期限のある手続きにも目を配っておくと安心です。相続放棄には、原則として相続の開始を知った時からの期間の定めがあり、相続税の申告にも期限があります。相続税の申告や個別の税額の判断は税理士、遺産分割に争いがある場合の代理交渉は弁護士の業務領域です。どの手続きが必要かは、財産の内容やご家族の状況によって異なります。全体像が分からず不安なときは、まず一度、状況を整理してみることをおすすめします。

自分で進めるか、専門家に依頼するか

相続登記は、ご自身で申請することもできます。相続人が少なく、遺産分割の話し合いもまとまっているような場合には、法務局の窓口や案内を活用しながら、自分で手続きを進める方も少なくありません。一方で、相続人が多い、これまで名義を変えていない古い不動産がある、平日に法務局や役所へ出向く時間が取りにくい、といった事情があると、書類の収集や作成に手間取り、途中で行き詰まってしまうこともあります。どちらが向いているかは、相続の内容やご自身の状況によって変わります。まずは自分で進めてみて、難しいと感じた部分だけ相談する、という進め方もあります。無理のない範囲で始めつつ、判断に迷ったときには専門家の力を借りる、という選び方をしておくと、期限に追われて慌てることも避けやすくなります。

ご相談にあたって

当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。

遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。

必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。