「子どもを抱えてひとりで家計を支えているのに、借金の返済まで重なって毎月が苦しい」「任意整理をしたいけれど、シングルマザーでも手続きできるのだろうか」——そんな不安を抱えて調べている方に向けて、ひとり親の方が任意整理を検討するときに知っておきたいポイントを整理しました。結論から先にお伝えすると、ひとり親であること自体が任意整理の妨げになるわけではありません。
シングルマザーでも任意整理はできる?
任意整理は、裁判所を通さずに債権者(お金を貸している貸金業者やカード会社など)と直接交渉する「私的整理」の手続きです。裁判所の手続きではないため、家族構成やひとり親であるかどうかが手続きの可否を左右するものではありません。
また、後述するように任意整理には資格制限や職業制限がないため、働きながら手続きを進めることができます。子どもの養育や日々の仕事に直接の支障が出るような性質のものではないと考えられます。まずは「ひとり親だから無理」と最初からあきらめる必要はない、という点を押さえておきましょう。
任意整理に資格制限や職業制限はある?
自己破産では、手続き中に一部の資格や職業(警備員や保険募集人など)が一時的に制限される場面があります。これを心配して債務整理そのものをためらう方は少なくありません。しかし任意整理には、こうした資格制限・職業制限はありません。
さらに、任意整理は債権者との個別交渉で進めるため、勤務先に手続きを知られる仕組みも基本的にはありません。たとえばパート先や勤務先に通知が届くといった性質のものではないため、ひとり親が仕事を続けながら、無理のない範囲で進めやすい手続きといえます。資格制限の有無の詳しい考え方は、別の記事もあわせてご覧ください。
任意整理を検討する前提になる「継続した収入」とは
任意整理は「借金がゼロになる」手続きではなく、利息や返済条件を交渉して家計が回るように立て直す手続きです。具体的には、将来利息(これから先に発生する利息)のカットや分割回数の見直しを交渉したうえで、残った元本を原則として3〜5年程度(おおむね36〜60回)に分けて返済していきます。
この仕組みのため、手続き後も毎月決まった額を返済していけることが前提になります。パートやアルバイトであっても、継続した収入があり、減額後の分割返済を無理なく続けられる見込みが立つのであれば、検討の余地があります。逆に、収入が乏しく返済の原資(返済に充てられるお金)を確保しにくい場合は、任意整理での解決が難しくなりやすい点には注意が必要です。
「パート収入しかないけれど対象になるのか」「毎月いくらなら返せるのか」といった点は、収入や家計の状況をふまえて個別に検討することになります。返済原資の考え方については、関連記事もご参照ください。
児童扶養手当などの支援制度も併せて家計を見直す
ひとり親世帯には、児童扶養手当をはじめとする公的な支援制度が設けられています。返済のことばかりに目が向きがちですが、こうした手当や、養育費の受け取り状況も含めて家計全体を見直すことで、「毎月いくらまでなら返済に充てられるか」がはっきりしてきます。収入と支出を一度棚卸しすると、返済計画が立てやすくなる場合があります。
ただし、児童扶養手当などの支給要件や具体的な支給額は、世帯の所得や子どもの人数、お住まいの自治体の制度によって異なります。本記事の説明はあくまで一般的な考え方ですので、最新の要件・金額は、お住まいの自治体の窓口や公的な相談窓口で必ずご確認ください。
親の任意整理は子どもの進学や就職に影響する?
「自分が任意整理をしたら、子どもの将来に傷がつくのでは」という心配は、ひとり親の方からよく聞かれます。信用情報(クレジットやローンの利用・返済の記録)は個人単位で管理されているため、親が任意整理をした事実が、そのまま子どもの進学や就職に直接影響するものではありません。子ども名義の契約や奨学金の審査が、親の手続きを理由に当然に不利になる、という仕組みではないと考えられます。
ただし注意したいのは、保証関係がある場合です。たとえば子どもが契約する際に親が保証人になっているなど、保証人がついている借入を任意整理の対象に含めると、その保証人へ請求が及ぶことがあります。どの借入を手続きの対象にするかは、こうした影響もふまえて選ぶことになります。家族への影響の考え方については関連記事もあわせてご確認ください。
実際にできるかどうかは個別の事情によります
ここまで一般的な考え方を整理してきましたが、任意整理が実際にできるかどうか、また減額後の返済をどの程度に抑えられるかは、収入や家計、借入額や債権者の数といった個別の事情によって変わってきます。ひとり親であることそのものが妨げになるわけではありませんので、ひとりで抱え込まず、まずは状況を整理したうえで、無料相談で個別にご確認いただくことをおすすめします。
ご相談にあたって
司法書士法人 福間事務所は認定司法書士が在籍し、債権者1社あたりの債務額が140万円以下の任意整理について代理権限の範囲内で対応します。1社あたり140万円を超える事案は司法書士の代理権限の範囲外となるため、無料相談で個別にご確認ください。減額後の返済額の概算や見通しも、無料相談で個別にご確認いただけます。
個人再生・自己破産は書類作成のサポートであり、代理人として対応するものではありません。
当事務所では債務整理に関する初回のご相談を無料で承っています。任意整理で将来利息のカットや分割回数の見直しができるかどうかは、債権者との交渉や個別の事情により異なり、特定の結果をお約束するものではありません。借入や家計の状況をお伺いしたうえで、ご相談者に合った手続きをご案内します。