相続登記の期限が気になっていても、「他の相続人と連絡が取りにくい」「みんなの足並みがそろわない」といった事情で、なかなか手続きが進まないことがあります。そんなときに知っておきたいのが、相続人申告登記は自分一人でも申し出ることができる、という点です。全員がそろって手続きをしなくても、自分については申請義務を果たしたものとみなされる方法が用意されています。この記事では、相続人申告登記を一人で申し出る仕組みと、他の相続人の分もあわせて申し出られるのかどうかを整理します。
相続人申告登記は単独で申し出られる
相続人申告登記は、登記上の所有者が亡くなったことと、自分がその相続人であることを法務局に申し出る手続きです。この申出は、相続人が一人で単独で行うことができるとされています。遺産分割の話し合いがまとまっていなくても、また他の相続人の協力が得られなくても、自分の分については申し出ることができる、という点が大きな特徴です。
本来の相続登記では、遺産分割の内容に応じて相続人の関与が必要になる場面がありますが、相続人申告登記は、あくまで自分が相続人であることを申し出るものなので、他の相続人の同意や押印を得なくても進められるとされています。連絡が取りづらい相続人がいる場合でも、まず自分の義務を果たしておける、という安心感があります。
他の相続人の分もあわせて申し出られる
相続人申告登記は、自分の分だけでなく、他の相続人の分もあわせて申し出ることができるとされています。たとえば、複数の相続人がいる場合に、そのうちの一人が代表して、他の相続人についてもまとめて申出をする、という進め方が考えられます。ただし、他の相続人の分を申し出るには、その相続人が相続人であることを示す戸籍等が必要になるとされています。誰の分をどこまで申し出るかは、家族の状況や集められる書類によって変わってきます。
相続人申告登記と本来の相続登記のどちらを選ぶべきかや、Webを使った申出の方法は、別の記事で解説しています。
申し出るときに用意するもの
相続人申告登記の申出には、登記上の所有者が亡くなったことと、自分がその相続人であることを確認できる戸籍等の書類が必要になるとされています。本来の相続登記に比べると用意する書類は軽く済む場合が多いとされていますが、必要な戸籍の範囲は個別の事情によって異なります。何をどこまで集めればよいか分からないときは、早めに確認しておくと、手続きがスムーズに進みます。
一人で申し出たあとに気をつけること
相続人申告登記で申請義務を果たしたとみなされても、それで相続の手続きがすべて終わるわけではありません。相続人申告登記は権利関係を公示するものではないとされており、その不動産を売却したり担保に入れたりするには、あらためて本来の相続登記が必要になります。また、遺産分割の話し合いがまとまった場合には、その成立日から一定の期間内に、取得した相続人が本来の相続登記を申請することとされています。一人で申し出られる手軽さがある一方で、これは当面の一歩である点を押さえておくとよいでしょう。
期限に間に合わないときの全体的な対処については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
迷ったら早めに相談を
「自分一人で申し出られるのか」「他の相続人の分はどうすればよいのか」といった点は、相続人の範囲や集められる書類によって変わってきます。ご自身のケースでどのように進めればよいかは、無料相談で個別にご確認いただけます。状況を整理しながら、必要な段取りをご案内します。
他の相続人と協力できないときの備え
相続の手続きでは、他の相続人と連絡が取りづらかったり、話し合いに応じてもらえなかったりして、思うように進まないことがあります。そうした場合でも、相続登記の申請義務については、相続人申告登記を自分一人で申し出ることで、まず自分の分を果たしておくことができます。全員の足並みがそろうのを待たなくても、期限に間に合わせる手立てがある、という点は知っておくと安心です。他の相続人と気持ちのすれ違いがある場合でも、まず自分の義務を果たしておけば、その後の話し合いを落ち着いて進める余裕が生まれます。全員がそろわなければ何も進められない、というわけではないことを知っておくだけでも、気持ちが軽くなることがあります。手続きの一部を先に進められる点は、単独で申し出ることができる相続人申告登記の大きな利点です。
ただし、相続人申告登記はあくまで申請義務を果たすための手続きであり、遺産分割そのものを解決するものではありません。最終的に誰がその不動産を取得するかは、相続人の間の話し合いで決めていく必要があります。話し合いに争いがある場合の代理交渉は弁護士の業務領域となるため、状況に応じて適切な専門家をご案内します。
まずは自分にできる手続きから進め、そのうえで、その後の遺産分割や本来の相続登記をどう進めるかを考えていく、という順序で捉えると、一人で抱え込まずに前に進めます。何から手をつければよいか迷うときは、無料相談で状況を整理しながらご案内します。
ご相談にあたって
当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。
遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。
必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。