公正証書で遺言を作る場合、窓口になるのは公証役場です。ただ、初めての方にとっては、どの公証役場に行けばよいのか、予約は要るのか、何を持っていけばよいのか、足が不自由でも作れるのか、といった点が気になるところです。この記事では、日本公証人連合会の案内に沿って、公証役場を使う前に知っておきたい点を整理します。個別の公証役場の住所や電話番号は、連合会の公式の一覧でご確認いただくことにして、ここでは載せていません。
公証役場とは
日本公証人連合会の説明では、公証人は法務局または地方法務局に所属し、法務大臣が指定する所属法務局の管轄区域内に公証役場を設置して、事務を行います。公正証書の作成などを依頼する窓口が公証役場です。遺言については、公証人が遺言者の話した内容を聞き取って公正証書にまとめます。作り方の全体像は、別の記事で整理しています。
公証役場の探し方
日本公証人連合会のウェブサイトには、全国の公証役場の一覧が用意されています。都道府県を選ぶと、その都道府県にある公証役場の一覧が表示される形です。最寄りの公証役場に相談するよう案内されており、相談は無料とされています。住所や電話番号、受付の時間といった個別の情報は、変わることもあるため、本記事末尾の出典に挙げた連合会の「公証役場一覧」と、各公証役場の案内で最新のものをご確認ください。
予約と相談の進め方
日本公証人連合会は、遺言の相談や依頼について、士業や銀行などを通さなくても、遺言者や親族が公証役場に直接、電話・メール・来訪で行えると案内しています。事前予約については、お客様をお待たせしないように事前予約制をとっている役場もあるとされ、予約が必要かどうかは各役場のホームページで確認するか、直接問い合わせることになっています。まず財産の内容と、誰にどのように渡したいかをメモにしておくと、相談が進めやすくなります。
持参するもの
遺言公正証書の作成にあたっては、遺言者の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)や顔写真付きの身分証、遺言者と相続人の続柄が分かる戸籍謄本、不動産がある場合の登記事項証明書や固定資産評価証明書などの資料が求められます。証人2名の確認資料も必要です。詳しい一覧は日本公証人連合会の「必要書類」のページにあり、事案によって追加の資料が必要になることもあります。何を用意するかは、相談の際に公証人に確認すると確実です。書類の集め方に不安がある場合は、次の記事もご覧ください。
自宅や病院での作成(出張)は可能か
日本公証人連合会は、公証人が遺言者の自宅や老人ホーム、介護施設、病院などに出張して、遺言公正証書を作成することが行われていると案内しています。病床で作成する場合の手数料の加算や、出張の日当・交通費がかかることは、費用の仕組みの記事で整理しています。なお、公証人は所属する法務局・地方法務局の管轄区域の外では職務を行えないとされており、出張も管轄区域内に限られます。離島など公証役場へ行きにくい事情があり、公証人が支障がないと認めた場合には、ウェブ会議による方法も可能とされています。
住所地以外の公証役場でも作れるか
日本公証人連合会は、管轄区域の外に住んでいる依頼者が、他の管轄にある公証役場に出向いて公正証書を作成することは可能であると説明しています(例として、九州に住む方が北海道の公証役場を訪れる場合が挙げられています)。ただし、これは依頼者が出向く場合の説明です。公証人の出張は管轄区域内に限られますので、自宅や病院での作成を希望するときは、その場所を管轄する公証役場に相談する必要があります。また、遺言の作成後は、全国のどの公証役場でも、平成元年以降に作成された遺言公正証書の有無を検索できるとされています(相続人など利害関係人が対象です)。
費用の考え方
公証人の手数料は、遺言の目的となる財産の価額などに応じて政令で定められています。仕組みや主な加算は、別の記事にまとめています。相談そのものは無料とされていますので、見積りの目安は、書類をそろえたうえで公証役場に確認するのが確実です。
司法書士にご相談いただける範囲
当事務所は司法書士事務所として、相続が始まったあとの相続登記の申請の代理や、戸籍など必要書類の収集の補助に対応しています。遺言の有効性などをめぐる争いの代理・交渉は弁護士、相続税などの税の判断は税理士の業務領域ですので、該当する場合は適切な専門家をご案内します。
ご相談にあたって
当事務所の相続登記・相続手続きのご相談は無料で、着手金もいただいていません。ご依頼の際は、司法書士報酬のほかに登録免許税・戸籍等取得費などの実費が別途必要です。
遺産分割に争いがある場合の代理交渉・調停・訴訟は弁護士、相続税の申告・税務相談は税理士の業務領域です。当事務所は司法書士事務所として、相続登記・法定相続情報一覧図の取得・相続放棄の申述書など裁判所提出書類の作成等に対応し、必要に応じて適切な専門家をご案内します。
必要な手続き・書類・費用は個別の事情により異なります。ご自身のケースの見通しは無料相談でご確認ください。